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「松葉屋の花魁 花の井」の両兵庫

前回、大河ドラマ「べらぼう」の「横兵庫」について書きましたが、同じ兵庫髷でも輪が二つ、リボンのような形をしているのが「両兵庫」です。

花魁の花の井さんや、重三郎が子供の頃の朝顔姉さんが結っていましたよね。


これは後に大型化して、歌舞伎などでお馴染みの花魁の髪「立兵庫(伊達兵庫とも言うが本当は横兵庫の一種)」に発展します。


蔦屋から出版された勝川春潮(勝川春章の門人)の「絵本紅葉橋」に、両兵庫を結った遊女が、まさに蔦屋の店の前を通る絵があります。

禿や新造を連れて、引手茶屋まで客を迎えに行くところでしょうか。

前櫛を3枚も挿しています。


勝川春潮「絵本紅葉橋」(部分)
勝川春潮「絵本紅葉橋」(部分)


こちらの両兵庫は、毛先を残して撥ねさせています。

この「青楼美人合姿鏡」は勝川春章と北尾重政の競作で、蔦屋重三郎が企画・出版したもの。

まさに「べらぼう」に登場する遊女たちの姿です。


勝川春章・北尾重政 競作「青楼美人合姿鏡」
勝川春章・北尾重政 競作「青楼美人合姿鏡」



こちらは寛政5年(1793)作の喜多川歌麿「青楼三美人」。

両兵庫が大きくなって、ほとんど立兵庫になっています。

寛政6年(1794)頃から約15年ほどの間は非常に大きい髷が流行しました。



喜多川歌麿「青楼三美人」
喜多川歌麿「青楼三美人」


蔦屋重三郎が亡くなったのは1797年ですから、彼の晩年、吉原では極端に大きい髷が大流行していたはずです。

NHK大河ドラマ「べらぼう」の中で、遊女たちの髪はどうなるでしょうか。

リアルな立兵庫や大勝山が見られるかな?楽しみです。



喜多川歌麿「六玉川 玉屋内 花紫」
喜多川歌麿「六玉川 玉屋内 花紫」

喜多川歌麿「青楼遊君合鏡 玉屋内 小紫 花紫」
喜多川歌麿「青楼遊君合鏡 玉屋内 小紫 花紫」



 

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